文化財学演習のスクーリングです!
文化財学演習Ⅲが始まります。
白神山地と三内丸山遺跡とシャガールで、西山先生のお話は始まりました。
保存科学とは、文化財を保護し未来に伝えるのが役目。
そのためには、文化財の性質や正体・・・・材料や製作の技術を知る必要性が有り
文化財の持つ意味や価値付けを総合的にみることで、
未来に伝えることができる。
文化財って過去のものだけど、それを未来に手渡すためにある学問が、
保存科学。
そう考えると、西山先生のどこか夢見がちに見える風貌が納得できる~。
でも、西山先生って、稲荷山鉄剣の保存でお名前を知ったんだけど
今お幾つ?思ったよりずっとお若いわ・・・
などと考えてるうちに講義はどんどん進みます。
遺跡、遺構の調査に効果的な、レーダー探査法
古環境の復原に効果的な、脂肪酸分析、
年代の測定方法としての、年輪年代法やC14年代法
産地の推定のための、鉛同位対比分析
材質構造を調べる成分分析・赤外線写真
大気汚染の文化財への影響・・・などなど
実例を交えながらのお話に、興味津々~♪
私が好きなのは、縄文土器に付着した物質の脂肪酸分析によって
それがマダライルカの油脂らしい、と分かったというお話。なんかいいよね~♪
で、午後からは二班に分かれて分析機器の見学。
最初にX線透過撮影装置や保存処理装置を見ました。
発掘されたものを保存するためには、
X線によって事前調査し、脱塩処理、中和などの過程を経て、樹脂を含浸させます
この中を真空にして、樹脂を金属に滲み込ませるんですね。
左から2本目の刀は、保存処理が終わっています。ちょっとテカってる(笑)。
木の遺物は水中で保管し、含浸槽で水分を樹脂と置換します。
持ってみたらとっても重かった・・・・
次に、電子顕微鏡や赤外分光分析装置などがある、通信教育棟の資料整理室へ。
一台ん千万円、というような機器がずらっと並んでます。
これは、フェルトの研究をしておられる院生さん手作りのフェルト。
正倉院展に大きなフェルト絨毯が出てました・・・・
フェルトは、すだれに羊の毛を敷き詰めたところに熱湯をかけ、ゴリゴリ摩擦して
羊毛の繊維を縮ませ絡ませて作るそうで。
ウールの布を作る方法としては最も古いものだ、とか、
モンゴルでは、そのすだれを馬に引かせて駆け回る、とか
布好きの私にはすごく面白いお話でした☆
この部屋には、レバノンのローマ時代の遺跡調査の地下墳墓の写真も有って。
ん、レバノン、行って見たいなあ・・・・
と、例のごとくミーハーな私はミーハーに思いつつ、今日の講義はおしまい。
ああ、面白かった~!
明日の予習をしなくちゃ・・・・と図書館によって帰りました☆
でも、こういう機器の進歩で、いろんなことが解明されていくのでしょうね。
ロマンだわ~。
保存科学って、とっても進歩してるんですよね~。
水分の多い地中深く埋まってた木片は、地上に出て水分が失われると、見る間に縮んででしまう。
だから、その水分を樹脂と置換して原形を保つようにするんですが、必要なときには、その樹脂を取り出して水に置換することも可能なんですって。
こういう研究がが進んだお陰で、大昔のことがいろいろ判るようになって、面白いです。
だって、イルカの脂肪酸が縄文式土器についてるって言うことは、縄文人がイルカを取ってたってことなんですよ!
どうやって?と思うと、それだけでワクワクします☆
フェルト、私たちの時にはありませんでしたー。
見たかったー。そこらへん興味バシバシです。
私も以前三内丸山遺跡でマグロの骨が見つかった話を聞いたときはワクワクしました!
どうやって、あんな外洋の魚を採ってたんでしょうね!
どんな糸でどんな釣り針で!
今の時代ですら難しいものをあの時代に採るなんて、考えれば考えるほど古代の人は賢い!!
機器の説明をしてくれた院生さん(長い髪の綺麗な女性でした)がフェルトの研究をしてると言うことだったので、フェルトの作り方やなんかをせっせと質問してたら、「ここに作ったのがあります~」と見せてくださったんですよ(にっこり)。
ず~ず~しいおばさんも時々は役に立つでしょ(笑)
マグロもイルカも、浜から釣るのは無理ですよね、どう考えても。
丈夫な釣竿と針と糸じゃないと無理・・・・。
ん?そもそも、イルカは釣れないよね?
といって、銛で突くには泳ぐスピードが速すぎる・・・。
あ~、謎だあ!