三度目の同行ガイド!
フランス人のゲストを9時から12時までご案内することになりました。
私的には、急遽、って感じですが・・・・どうも、これが普通なんじゃないかと思われ(汗)
この先も前の夜に電話がかかってくる可能性がチョコチョコあるのかもしれませんね。
この日のゲストは松前旅館に宿泊中ということだったので、お電話を差し上げて
「フランス人のお客様」と言ったところ「今日はフランス人が10人以上お泊りです」と!!
ええ??
松前旅館って、二十室ぐらいしかない小さな旅館のはずなのに??
と目を丸くしてしまいました。
確かに最近、奈良町の中に外国人向けの小さな旅館やINNが増えてきています。
昔はお食べ物屋さんさんだったハズが、次に通りかかるとINNっていう看板があったりして。
奈良町って、駅からも近いし、飲食店もあるし、もちろん観光にも便利だし、日本らしさも味わえるし、
何日か滞在するようなお客様にはビジネスホテルに泊まるより良いかもしれませんね~。
この日のゲストも三泊のご予定だそうです☆
約束より10分ほど早く松前旅館に着いて、玄関に座っていると、
薬師寺の仏足石の拓本の掛け軸が!
奥には会津八一の歌碑の拓本もありました~!
おかみさん(若くて、英語ぺらぺら)にお聞きしたら、以前に道具屋さんでお求めになったとか。
いやん、おぬし、できる~~!!(笑)
9時に出てこられたのは、まだ若いカップル。
日本には前日ついてそのまままず奈良に来られたとか。
あら~~、京都も東京もすっ飛ばして奈良へ?
しかも三泊も?
「どうして奈良へ?」と聞いたら、
「歴史があるし、良い所だって聞くし。フランス人は歴史が大好きだから」
まあ、なんていい人たちなんでしょ(にっこり)
これは頑張って、奈良の魅力をお伝えしたいものです!
前日興福寺境内は歩いた、とのことでしたが、彼女から
「ちゃんとした説明が聞きたい」・・・・ますますいい人たちです☆
で、普段はそこまでお話ししない、興福寺と春日大社を建てた藤原氏と東大寺を建立した天皇家の関係や、
平家による南都焼き討ちなど歴史の概略をお話ししたところ、「へいけ」と「たいら」は同じ?「げんじ」と「みなもと」も?というご質問が(汗)
うわ~~、どんだけ下勉強したはるんや!
こういう人たちにこそ、いかにも奈良らしい静かで美しい所をお見せしたいものですね。
とはいえ、まずは一般的なコースをたどって、猿沢池、五重塔から春日大社へと向かいました。
さすがに桜の時期ほどの人込みはありませんが、そこそこの混雑です。
春日大社は今藤の花が満開!
今年の砂ずりの藤の花房の短いこと・・・・
でも、山の緑に藤の紫が回廊の赤に映えて空は真っ青で、この日がベストだったかもしれませんね。
彼はこの旅行のためにカメラを新調されたそうで、この景色をとても喜んでおられました。
春日大社で私がよくご説明するのは、回廊の窓がどれも少しづつ形が違ってて長方形ではない、ということ。
地面の傾斜に沿って回廊が建てられた結果、平行四辺形の窓や長方形の窓が混在しています。
これは東大寺や法隆寺でもそうで、自然をコントロールして(地形を平らにして)建てるのではなく、自然の形に寄り添うのが日本的、とお話しすると、男性には特にウケます!
この後、いつもの私の好きなルートで、若草山の麓を回って手向山八幡宮から二月堂、東大寺へと向かいました。
このあたりでは、興福寺の僧兵の話と(それは仏教徒としてどうなの?というご質問有。まったく同意です!)
東大寺では行事があるとかで大仏殿前には太鼓がたくさん並んでました。
が、お二人は大仏様に夢中。
彼女の興味は印相(汗)
フランスの美術館で仏像を見てこられたそうで・・・・・
ごめんなさい!
私、この毘盧遮那仏の「与願」と「施無畏」しか知りません・・・・あ、「降魔印」ってあったっけ・・・・
幸い(?)彼女は与願と施無畏の意味をお話したらすごく喜んでくれたけど…
もっともっとお勉強が必要だわ!!!!
この後、普通なら南大門を見て、ちょうど時間だったんですが・・・・
「まだ歩けますか?」と聞いたら「大丈夫」とのことだったので、
大仏池のほうへ向かいました。
大仏池から東大寺を眺めるとほんとにきれい!
そのあと戒壇院の横を通って依水園に・・・・・
このルートが私はいかにも奈良らしくて大好きなので、
この若いお二人にお見せしたかったんです~。
依水園をご案内して、ちょうどお昼時になったので、この日のガイドはおしまい!
ランチの後で南大門はぜひ見てくださいね、とお願いして
お別れしました。
この日はいいお天気で、っていうか夏のような暑さで、しっかり日焼けしてしまいましたが
気持ちよく帰宅しました。
それに・・・・・フランス人の英語がわからないのは、英国人の英語がわからないのよりずっとダメージが少なかったです・・・・・