風の中の小鳥

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秋の気配

今年は秋の訪れが早いようで、朝夕はめっきり涼しく、夜中は肌寒さを感じるほど。
各地で豪雨と水害の被害が激しいようですね。
お見舞い申し上げます。

そんな一日、奈良国立博物館で行われている「白鳳 花ひらく仏教美術」を見てきました。
奈良公園では、もう角を切られた牡鹿が松の木に頭をすりつけてました。
マーキングかな?
それとも頭がかゆい?
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この日は良いお天気で、博物館もそこそこの人出。
それでも正倉院展に比べたら、見やすい見やすい!
それに、私、博物館パスポートを持ってて☆うっふん、お得です~☆

奈良国立博物館は平成27年に開館120年を迎えるそうで、これを記念して白鳳美術を取り上げたそうです。
1895年に奈良帝室博物館として開館し、森鴎外が一時館長を務めたこともありますが、1952年に奈良国立博物館となりました。

今回の白鳳展ですが、おなじみの仏様がずらりと揃っておられて、仏像はやっぱり白鳳時代だわ、と思っている私には至福の時間!
野中寺の弥勒菩薩や東京博物館から出品された法隆寺の金銅仏の数々、
また東京深大寺の釈迦如来さま、鳥取、滋賀などからお出ましの諸仏など、
お目にかかる機会の少ない皆様を拝して満足感一杯でした。

が、今回の目玉(失礼!)はやっぱり薬師寺の月光菩薩と法隆寺の聖観音(夢違観音)でしょうね。
どちらも見慣れたお姿ですが、やっぱり綺麗だわ~~♪
特に月光菩薩は光背もないお姿で見られるのは珍しい!
やっぱり圧倒的な迫力です☆
そして、お肌の美しいこと!
これは鋳造の技術の素晴らしさと保存状態の良さの両方から来てるんでしょうが、
他の金銅仏とは肌のつやが違います☆
白鳳時代は金銅仏が隆盛を極めた時代ですし、法隆寺も薬師寺もその時代の頂点のお寺で。
そのお陰でこんなに美しい仏像が出来上がったんでしょうね~。
いや~~、改めてその美しさにときめいてしまいましたわ!

そして今回もう一つ感動したのは、橘夫人念持仏の厨子の床と後屏☆
(いや、念持仏も素晴らしいんですよ、もちろん)(汗)
でも、この床には、精緻な蓮池が彫り込まれてるんですが、そのデザインがまあ、素晴らしいの一言!
この模様は、法隆寺の大宝蔵院の中庭に瓦で再現されてて、行く度にいつも、良いなあ、と思ってたのですが、
今回そのオリジナルをまざまざと拝見し、余りの素晴らしさに息を飲みました。
また、後屏には菩薩が華麗に浮彫で表されていて。
高貴な女人の念持仏を入れる厨子って、ここまで流麗で美しいものだったのだなあ、と
再認識しましたわ。

その他、美しい鎮檀具や舎利容器など、心ときめく品々を眺めて、大満足でした☆
これは八窓庵の有るお庭。
まだ緑に包まれてますが、正倉院展のころにはそろそろ紅葉が始まりかけるでしょう・・・・・
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その週末には弟の参加している声楽交友会ベルカントの演奏会が、なら百年会館で有りました。
最高齢は89歳の女性。
その方のソプラノの美しいこと!
年を取ることは美しいことです・・・・・・
そして、弟の歌が毎回少しづつですが向上してるのが嬉しく、有難いことでした。
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當麻寺特別展

4月6日から奈良国立博物館で「當麻曼荼羅完成1250年記念特別展當麻寺・・・・極楽浄土へのあこがれ」が開催されてます☆

この特別展では、国宝の當麻寺曼荼羅が30年ぶりに展示される!
ただし展示されるのは、6月2日までの会期のうち、4月6日から14日までと、4月23日から5月6日までだけ。
何しろ蓮糸で織った曼荼羅(だと言われてる)(ニヤリ)ですから、それでなくても劣化や退色が激しいのに、長く展示したらヤバいかも、ってことなんでしょうね。
展示が30年ぶりってことは、次回私はいくつ?生きてる?(笑)
生きてる可能性は結構低そう(笑)今見ておかねばもう見られへんやろ、と言うことで、土曜日に行ってきました☆

この日はとってもいいお天気で、奈良公園には沢山の人がいましたが、博物館周辺はそこそこ。
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當麻寺には昨年秋にかるほさんと一緒に出かけたばかりなので、比較的新鮮な記憶があります(笑)

館内に入って一番に目を引くのは、持国天立像。
金堂から一人だけご出張です(笑)
他にも金銅の骨蔵器や當麻寺縁起、十一面観音聖観音などの平安時代の仏像の数々、當麻寺で見た刺繍(髪の毛を使ってるって書いてあったような)の阿弥陀三尊などを見て行くと・・・・・

當麻寺曼荼羅が眼前に!
正式には、「綴織當麻曼荼羅」と呼ぶらしいですが、 天平宝字7年、中将姫の願いに応えて阿弥陀さまと観音さまが蓮糸で織った、と伝えられるあの曼荼羅です☆
一辺約4mで、極彩色の極楽浄土の様子が描かれてる・・・・はずなんですが、流石に1250年が経過した曼荼羅はぱっと見には一面茶褐色(汗)

しか~~し、しばらく目を凝らして見てると、御仏のお姿が浮かび上がってきます。
これって、絵画じゃなくて、綴れ織り?!
舶載ではないかとも言われてるそうですが、1000年以上前にこんな細かい模様を織り出す技術があったなんて、すごいです・・・・奇跡の曼荼羅、と呼ばれるわけですね~。

いくつかの写本も展示されてました☆

そのあとも、當麻寺の歴史を物語る品々が時代を追って展示されていて、正倉院展みたいに混雑してないので(笑)ゆっくり堪能するまで見ることが出来ました。


この日は、南円堂も北円堂も特別公開だったんですが、私は東大寺ミュージアム
やってる「東大寺金堂の鎮檀具のすべて」展に行きました。
明治時代に須弥段から発見された鎮檀具と、平成に入ってから「陽剣」「陰剣」の象嵌銘が発見された大刀2口の保存修理が完成展示されてて、いや~、見事の一言でした!
この間はおられた不空羂索観音は今回はおられませんでしたが、日光月光菩薩様は拝観出来たし、満足、満足☆

さて、これからどちらへ行こうか・・・・・と考えるともなく、なんとなく鏡池から右手へと進み
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東塔の基壇跡辺りには、まだ桜が残ってて、ブラブラ歩きにはぴったりの景色。
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そのまま二月堂方面に坂を上っていくと、これは何川?水谷川かな?・・たしか、吉城川水系のはず(汗)
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現在工事中の法華堂。5月中旬には完成するらしい。
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これって、県の花の、奈良八重桜、かな?
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青空にそびえる二月堂に登って
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例の道を下って、大仏殿裏から正倉院へと歩いて行くと
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やっぱり咲いてた!!!
枝垂れ桜が満開だわ☆
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正倉院裏には遅咲きの枝垂れ桜が二本あるんですよね~♪
遠くの山も色めいてる・・・・・
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お天気が良かったので、大仏池では鹿がのんびりまったり(笑)
鷺もいました。
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戒壇院そばの千手堂が特別公開してたので、拝観しました。
ここに入るのは初めてです。
15年ほど前に千手堂が火事になった時に、本尊の厨子扉絵の図柄が剥落したのを、今回修復され、その完成を記念して厨子絵の背面だけが展示されてました。
他にも、唐招提寺の鑑真和上像の江戸時代の見事な複製や、愛染明王がありましたわ~。
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ちょっとのどが渇いてきたので、しろあむ、と言う喫茶店に入ってちょっと休憩。
この喫茶店は、万華鏡で有名です☆
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しろあむを出るともう夕方になってて。
ブラブラと近鉄奈良駅方面に歩いてると裁判所前の八重桜もいい感じ。
これも、奈良八重桜、かな?
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この日は、観光客は沢山でしたが、お天気が良くて、いかにも春らしい日で。
一人で思うままブラブラ歩きを楽しんだんですが、思いがけず遅咲きの枝垂れ桜の満開に出会い、名残の桜に心豊かな一日になりました♪

ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しずこころなく はなのちるらん  紀友則
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ベトナムで骨休め・・・・その3 ダナンからホイアンへ

この日は朝4時半に起床し(ホテルで朝ご飯のお弁当をもらいました☆)ツーリストの車でホーチミン空港に向かい、7時半の飛行機で一路ダナンへ。
朝4時半って、私にとっては「夜と朝の間」って感じですが、街にはすでにたくさんの単車が走ってて。
ガイドさんに聞いたら、お仕事に行くところだとか。
ホーチミンみたいな暑い場所では、早朝や夕方からが活動時間なんですね、なるほど~、でした。

ダナン国際空港は去年出来たばかりの、とても広くて明るくて綺麗な空港!
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ここでもツーリストのお迎えがあり、ダナンとホイアン観光には運転手さんとガイドさんが同行してくれます。
こちらのガイドさんは30代ぐらいの男性で、アインさん。
勿論日本語ぺらぺら、車はベンツのバンで、優雅な気分~♪(笑)

ダナンは、19世紀中ごろから港湾都市として栄え、ベトナム戦争当時は米軍の基地があった町で、現在は大規模な産業都市として発展中だとか。
市街はどこもかしこも新しく、とても綺麗で、あちこちで橋をかけたり大規模な工事が行われていました。

まず最初に訪れたのは、チャンパ王国の遺物を展示しているチャム彫刻博物館。
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チャンパ王国と言うのは、ベトナム中部に3世紀ごろから栄えた王国だそうで、古代チャム人は優れた航海技術を持っていて、チャム王国は交易国家として繁栄したらしい。
そして、正倉院のかの有名な香木蘭奢待は、9世紀ごろにチャムから日本に持ち込まれたものだそうです!
また、沈香を求めて、家康からチャンパ王に当てた親書も残ってるとか。
まあ~~~~、そんなご縁があったのね、と、チャンパ王国に一気に親近感が増しました☆
チャンパ王国は、時代によってあちこちの国と争い、あるいは影響を受け、王国の形も変わり、信じた宗教も仏教やヒンズー教、その混合したもの、と変わっているようでした。
この博物館には、そのチャンパから出土した数々の遺産が展示されてて、見ごたえ十分。
ガンダーラ風?手が四本
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立ってるのはガヌーシャと・・?。台座の彫刻が見事です!!
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ガルーダですね~。仏教にとりこまれて八部衆の迦楼羅となりました。これはヒンズーの像なので、もろ、蛇を食べてます(笑)
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これは、金剛力士像かな?
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法隆寺の銅像にどこか似てる気が・・・・・
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チャンパには青銅器時代の有ったらしい。上の段にあるのは銅鐸か?
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チャンパはまた中国の影響も強く受けてます。これは中国の銅銭ですね。
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博物館の庭には、大きなガジュマルの木が心地よい影を作ってました・・・・ベトナムはどこでも木が大きくて驚きました。
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大遣唐使展に行ってきました。

奈良博物館でやっている大遣唐使展が今度の日曜日でおしまい。
行こう行こうと思ってる間に、あと三日になってしまい(汗)しかも、連日の梅雨空(大汗)
運転のできない私は、雨脚が強いと駅までの自転車が辛いんです(涙)
天気予報によると、金曜日は一日中大雨、土曜は雨のち曇り、日曜は曇り、
と言うことだったので、土曜日に行こうかな~と空を眺めていたら、
お昼前から小降りになって、空は真っ暗でしたが、有難いことに雨はほんの小雨。

これ幸いと、行ってきました☆

終了近いせいでしょうか、並ぶことはなかったものの、博物館の中はそこそこの人出。
皆さん熱心に見ておられました。

先に行った人から、展示品が多くて見るのに時間がかかるよ~、と聞いてたんですが、
まさにその通り!
これでもか、これでもか、と珍しい物のオンパレード☆

入っていきなり、薬師寺の聖観音と唐代の石仏が並んで立ったはりました。

この聖観音は、小学生の時に初めて見て、仏像の美と言うものを実感した、私にとってもメモリアルな観音さまだったので、間近にお目にかかってほんとにうれしかった~♪
前から後ろから、思う存分拝見してきました。
唐の石仏と聖観音はほぼ同じ大きさですが、素材の関係か、文化の違いか、
聖観音さまの方が優美でしたわ~ん♪

それから、これは手の上に乗るぐらいの大きさの、菩薩半跏像の精緻な美しさには驚かされました☆
先日行った河内観心寺の如意輪観音に少し似た面差し。

安祥寺の十一面観音も綺麗だったし♪
唐の画家が描いた白馬の絵(脚が短い)とか、
興福寺と東大寺の鎮檀具(金塊とか銀とか、水晶とか、真珠とか、ほんまにすごかった!欲しかった!)(笑)や、
トルコ語と漢字で書かれた石碑の拓本(国際的じゃ~!)とか、
唐の皇子の墓室の壁に描かれた仕女(采女みたいなものか?)とか(高松塚に似てる)、
唐三彩の壺やら枕(かたくて寝れなそう)(笑)やら、

興味深いものが次から次で、一つ一つ見るのに必死!


井真成の墓碑もありました。

それから、もちろん、吉備大臣絵巻☆
信貴山縁起絵巻よりカラフルで、保存状態が良いのかくっきり鮮やか!
それに、登場人物のどれもこれも、ほんとに表情豊かで、今にも動き出しそうでした☆
いや~、さすがに絶品だわ~、吉備大臣ったら、かわゆい(笑)
良いもの見たな~♪

しかし、全部で250以上の出展作品で、見終えた時には3時間以上たってました。
結構真剣に見たこともあって、ちょっとヘロヘロ。

これは二度以上見た方が良かった、早く来るべきだったわ…と反省。

だってね~、天寿国繍帳を見損ねたんです~。

くちおしや~~~~(涙)
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国宝十一面観音in京都

今年の四月、琵琶湖畔で出会った十一面観音に魅せられて始まった
友人と私の、7体ある国宝十一面観音を全部見よう!という企画も、
ついに最終回となりました。

最後を飾るのは、京都の六波羅蜜寺の十一面観音。
このお寺は、平安時代中期、空也上人によって開かれたそうです。
空也上人って、中学や高校の教科書で一度は見たことがあるはずですね。
疫病が京の都に蔓延した平安中期、自分の彫った十一面観音を車に乗せて、
念仏を唱えながら市中を引き歩き、病人を癒して歩いたとか。
阿弥陀聖とか市聖、市上人と称されて、浄土教の先駆者とも言われていますね。

この六波羅には平安末期には平家の屋敷が立ち並び、
鎌倉時代には六波羅探題が置かれた場所でもあります。
京都は歴史がミルフィーユのように重なっている、というのは私の大好きなフレーズなんですが、
六波羅の歴史はまさにミルフィーユのように折り重なりあい、今日に至っています。

その空也が引いて歩いた十一面観音が、今回私たちのお目当ての国宝です。
250センチ余りの大きな木造一木造り。
秘仏とされていて、12年に一度辰年に開帳されるものなんですが、
今回、中興の祖である花山法皇の千年忌で特別に公開されていました!
いや~本来なら三年は待たなくちゃいけなかったんですよね~。
私たちって、ラッキ~♪

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何度かの戦火を潜り抜けた本堂は1362年の再建。
江戸時代までは広い寺域を誇ったこのお寺ですが、明治の廃仏毀釈で、現在は市街地の中です。
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平清盛の塚や、阿古屋のお墓もある…

こちらの十一面観音は、平安時代の作らしいまろやかな体つきと、ふくよかなお顔でした。
お手先からは七色の糸が五鈷杵につながって、結縁となっていたので
五鈷杵に触れてゆっくりお参りしながら、この半年余りに拝観してきた7体の観音像に思いを巡らせて。
それぞれの仏像の細かな特徴は忘れても、まとっておられた雰囲気は忘れないものですね。

宝物庫に収蔵された仏像をいくつか拝観して本堂に戻ってきたら、ちょうどご加持が始まるところ。
一人づつご住持の前に座らせて頂いて、五鈷杵を持って手を合わせ、
観音への願いを念じさせて頂いて加持を受けた後、内陣に入ってご焼香をするという
思いがけない展開になりました。

特別御開帳のため、日に何度かご加持が行われているようでした☆
私たちって、ほんとにまったくラッキ~だわ♪

こちらのお寺は数珠を持ち、念仏を唱えておられる参拝客も多く、信仰を集めていることがよくわかりましたが、
若い女性が多い気がします…
仏像ブームのせいかしら?

お寺のそばには、「幽霊子育て飴本舗」というお店があります。
江戸時代に、妊娠中に亡くなったお母さんのお墓の中から赤ちゃんの泣く声がするので、
掘ってみると、男の子が泣いていて。
近くの飴屋さんには毎晩若い女性が飴を買いに来ていたのが、坊やが見つかってからはぱったり来なくなったそうで・・・
きっと、幽霊が赤ちゃんに舐めさせるために買いに来たに違いない、ということから
幽霊の子育て飴、として有名になったそうですが…・
その飴屋さんが今もあるなんて、しかも、ほんとに小さなお店でびっくり!
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これで十一面観音巡りは一応終わったんですが…・
なんかすごく良かったよね…これもご縁よね…・次は何にしようかな…
などと話し合っています…・
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国宝十一面観音&正倉院展

この季節、法華寺、海龍王寺、不退寺では、秘仏を公開しています。
国宝十一面観音を全部拝観しよう!を合言葉にしている友人と私は、
法華寺の十一面観音を拝観しようということになりました。

当初は、佐保寺の三観音を見た後で正倉院展と阿修羅も…と言う予定だったんですが
彼女に所用が入って、法華寺と海龍王寺の十一面観音を二人で見た後、
私一人で正倉院展に行くことに。
連休の谷間とはいえ、きっとすごい人出だろう、と覚悟したんですが、
幸いにも(?)朝起きたら、雨模様で、その上、風も強く、寒い!!
しめしめ、これなら混雑は少しは緩和されるんじゃないかな~、と淡い期待(笑)

大和西大寺で待ち合わせて、彼女の車で法華寺へ。
佐保路のお寺は、こじんまりとしたいいお寺が多いんですが、
西大寺の駅からや、お寺とお寺の間は、あんまり趣のない道を歩くことになるのが難点です・・・・

彼女は、十一面観音にハマってから、白州正子さんの文章などを読み漁ったようで、
そのイメージと、実際の立地に違和感があるらしい。
そりゃあ、そうですよね~。
白洲さんが奈良に来られたころ、この佐保路は、田んぼや畑や雑木林の真っただ中。
それが今は車がガンガン通る国道のそばなんですから。

でも、、ね。
白洲さんが来られた奈良は、都があった奈良ではない・・・・
1300年前、平城京は人口10万人を有した時代の先端を行く近代都市。
そして、佐保路のある左京一条は、都のど真ん中。
総国分尼寺として光明皇后によって建立された法華寺の広い寺域の周りには
貴族の館が立ち並び、朝夕、華やかな牛車が行きかったことでしょう。
やがて都が移り、時代が下って、奈良は静かに衰えて。
そのなかでも人の暮らしは繰り返され、近代都市は田圃と雑木林へと姿を変えたのです。
そう思うと、また違う感慨があるよね…・

しかし・・・って、こうして見るとやっぱりいいお寺ですよね。
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門跡寺院である法華寺は、どこもかしこも優美で美しい。
そして本堂におられる十一面観音は、彼女にとっては思いのほか小さかったようです。
紅色の残った唇や肩にかかる髪…光明皇后をうつしたとも、檀林皇后嘉智子を写したともいわれるのが頷ける、たおやかなお姿。
「ふじわらの おおききさきを うつしみに あいみるごとく あかきくちびる(会津八一)」
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この慈光殿と言う収蔵庫には、光明皇后臨終の枕仏と言われている、
国宝の阿弥陀三尊像及び童子像の三幅の掛け軸があります。
ずいぶん退色していますが、意志の感じられる眼差しが見る者の心を捉えます。
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御所のお庭を写したといわれる庭園も公開されています。
如何にも尼寺らしく、小さくて可憐で清らかなお庭。
幼くしてこのお寺に入って、ここで一生を過ごす、貴い身分の少女も、
このお庭にはきっと慰められたのでしょうね。
低い屋根は「上の御方」と呼ばれる奥書院。大きい屋根は本堂です。
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小高い丘には背の高い木、手前には低い灌木が植えられ、手前の池には杜若が。
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瓦にも、障子の引き手にも菊のご紋がついてました。
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お庭にはたくさんのドングリや・・・
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黄色く実った梔子の実
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本堂の前に咲くエリカの花。
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華楽園と言う庭園には、秋の草花が無造作に咲き乱れていました。
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椿かな。ほのかに入った薄紅色が美しい。
凛とした静けさのある美しさは、この日の冷たい空気にぴったりでした。
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次に、海龍王寺に向かいました。
私が高校生の時、このお寺の門は閉ざされ、打ちつけられていました。今はちゃんとあいていて、それだけでうれしい私です(笑)
それでもまだ、寂れた風情の参道…いいわぁ。。
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光明皇后の皇后宮の北東隅に立てられたことから「隅寺」と呼ばれていました。
こちらの十一面観音は鎌倉時代の作品で重要文化財に指定されています。
長らく秘仏であったせいか、彩色も鮮やか。
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8世紀前半の様式で建てられた、国宝の五重塔小塔。
元興寺にも、こういうの、あります!
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本堂の屋根。
時間を切り取って閉じ込めたような境内でした。
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時間を見ると、午後4時前。
友人と別れ、混雑状況を気にしながら正倉院展に向かうと、
大正解!
行列の影も形もありません!!
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館内も静かで、やったね~♪
今年は、紫檀木画槽琵琶や、金銀花盤、平螺鈿背円鏡、光明皇后の真筆の楽毅論(藤三娘、との署名がありました!…他は読めません)(汗)さまざまな刀子などに人だかりができていましたが、それもほどほど。
しかも、どんどん人は少なくなっていって、ほんとに見やすい☆
私が心ひかれたのは、貝の飾り具(貝玦)!
三日月みたいな形に夜光貝をくりぬいたもので、小さくて可愛いの。
伎楽面のところにあった、馬の頭。
なんかリアルで面白い~。
漆花形箱・・・・今もつややかな漆の色と、形の面白さ!…ほしいわ…
それから、宝相華模様の琵琶の袋と組み帯。

好きなものを繰り返し繰り返し見て、すっかり納得し、
外に出てみると、もう夕暮が迫っていて
残照の興福寺境内は、思いっきり冷え込んでおりました。
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朝一番の酔狂会も良いけど、夕方の奈良博も捨てがたい魅力がありましたよ。
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国宝十一面観音in京田辺

もう秋が来たのかしらと思うほど爽やかな風の吹いた昨日
国宝十一面観音を求めて、京都府京田辺市の観音寺に行ってきました。
もちろん、いつもの悪友と一緒に、です(笑)

京都から来る彼女と近鉄三山木駅前に12時半に待ち合わせ。
お昼ごはんを食べてから、とにかく観音寺までタクシーで行き、
その後は蟹満寺に行くか、一休寺に行くか、寿宝寺に行くか
あとで考えよう、という計画です。

このあたりにはまるっきり土地勘がなかったんですが、
この近くには同志社大学田辺校地があるし、学生のいるところには何かお店があるはずだし、
JRの三山木駅も隣接した駅前なんだから
レストランや、ちょっとしたカフェの一軒ぐらいはあるだろう、という
私の目論見は、駅を降りた途端、脆くも潰えました(涙)

なんも、ない・・・・・

いや、駅自体は広々として高架になってて、きれいなんですよ。
駅前には広いロータリーが美しく整備され、バス乗り場がいっぱいあるのに
降りたのは、ほんの2,3人(汗)
もちろん、喫茶店もレストランもなく、ロータリーが広くてきれいな分驚いてしまって
彼女と二人、絶句してしまいました。

この駅は、このバスは、採算、取れてるんだろうか???

あたりを見回してようやく一軒見つけた「三山木食堂」でお昼ごはんにありつき、
タクシーで観音寺に向かいます。
先日観音寺に電話させていただいた時、
「バスで…」という私にご住職が
「バスは二時間に一本なので、タクシーでどうぞ」と教えてくださったんです。
はい、確かにバスは二時間に一本でした(汗)。
で、行きはタクシーで、帰りは歩いても良いよね~、と乗ったタクシーの運転手さんは
とっても親切で、蟹満寺は今修理中なので国宝の釈迦如来は見られないと教えてもらいました。
十分足らずで、観音寺に着きました。

観音寺は、天武天皇の勅願によって義淵僧正によって開基されたお寺で、
往時には七堂伽藍を有する大寺だったとか。
でも、数度の火災により、今は本堂の観音堂が残るだけです。

桜並木の向こうが観音寺…
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今は緑の美しい田圃ですが、春には菜種の花が黄色く咲きそろい、
満開の桜とともにそれはそれはきれいだそうです~。
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山懐に抱かれた静かなお寺。
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タクシーから降りた私たちに、ご住職が「本堂へどうぞ」と声をかけてくださって
石畳を踏んでまっすぐ進み、上がらせていただきました。
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二人ほどおられた先客と私たちのために、ご住職が鐘を鳴らし、お経をあげてくださいます。
こちらの十一面観音は木芯乾漆造りという、私好みの観音様、のはず。
どこかな~ときょろきょろする罰当たりな私ですが
十二間四方ほどの小さな本堂には…それらしいものが見当たりません。
私たちの無病息災などを祈ってあげてくださったお経が終わると、
ご住職がさらりと立ち上がって、前立ちの向こうのお厨子の扉をあけられたら

そこに、十一面観音が!!!

し、しかも

そのまん前へ「どうぞ」と!!

ぎょ、ぎょえ~~☆
ガラスも、「ここまで」の柵も、なんにもなしで
私と観音様の距離、20センチです!!!

奈良のお寺では仏像と人との距離が近いことはよくあることですが
国宝がこんなに間近にあるなんて・・・
だって、観音様の頭上にある狗牙上出面の小さな牙まで見えるんですよ!

なんぼなんでも、さすがの私も、
度肝を抜かれました!!

お寺の由来や沿革を語ってくださるご住職の声を聞いているうち最初の驚きが鎮まって、
つくづく眺めさせていただいた観音様は
天平のおおどかな優しい表情。
お体も木芯乾漆造りらしい柔らかな曲線を描いて、いとおしい…・

そして、私たちのためにお経をあげ、お厨子を開き、お話をして下さるご住職の
なんとありがたいこと…
この地の人々の心やさしさと厚い信仰とが、
この優美な観音様を守っていたのですね。
国宝であるとないとに関わらず、人々の心を捉え、守らずにいられない心地にさせる
そんな仏様でした。

このあたりは、奈良とのかかわりの強いところで、
恭仁京跡があったりり、海住山寺などのお寺も奈良時代のものがほとんど。
また、お水取りの松明の竹はここから送っているそうです。

本堂を辞して、あたりを散策した後、さて、これからどうするか、ですが。
彼女も私も、コーヒーが飲みたい。喫茶店に入りたい(笑)
しかし、ここから駅までの間にそれらしいお店は無かった…

で、タクシーを呼んで、一休寺へと向かうことにしました。
一休寺のHPに、抹茶が飲めるって書いてあったので(汗)

一休寺は、あの(笑)一休さんが晩年を過ごし、亡くなったお寺。
確か、晩年の一休さんは森女という女性と一緒に住んだはった、と聞いたことがあったので
小さな可愛い庵を想像していたんですが
ここでも大きな驚きが!
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なんか、すんごく大きいお寺や…
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境内は苔むした緑に覆われ、木漏れ日が美しく。

その上、一休さんは天皇の皇子だったので、お墓は宮内庁の管理で、扉には菊のご紋!
うみゅ~、イメージと違う・・・・
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江戸時代再建の重要文化財の方丈には一休禅師木像がありましたし
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方丈には南庭、北庭、東庭の三面からなる方丈庭園があって、
これは見事な石組の枯山水の蓬莱庭園(北庭)
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夏の平日のこととて静かな境内でしたが、お掃除の行きとどいた見事なお寺でした・・・
首尾よくいただいた(笑)お抹茶には美味しい落雁が添えられていて
たっぷりと美味しかったです♪
ここへきて正解やったね。

本堂も方丈も、一休さんが亡くなってから建てられたもののようでした。

境内にはこんな可愛いお地蔵さまがたくさん。
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ようやく傾き始めた太陽を背に、新田辺の駅までぶらぶら歩き、
次回を約して、あっさり別れた私たちでした。

が、
これで5体の十一面観音を見た友人から一言。
「十一面観音は、どうして、どれもこれも、こんな辺鄙なところにあるの?」

た、確かに、それは言える…
なんでかなあ・・・・・???
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お盆に読みました。

この春から始めた国宝十一面観音詣でですが、
7つのうちの4つをすでに詣でて、来週には観音寺に行く予定です。

のんびりとしたお盆を過ごしながらPCを検索してみたら、
「名文で巡る国宝の十一面観音」という本にヒット。
題名に惹かれて購入しようとしたら、amazonでは在庫なし。
ないとなると余計にほしくなるのが世の人の常、ですよね(笑)
あちこち検索して紀伊国屋bookwebで発注しました。

帯には「13人の作家たちをナビゲーターに日本の古寺を歩く」とあって
白洲正子をはじめとする高名な作家の書かれた国宝十一面観音に関する文章が
一部、または全文掲載されていて、
昭和50年代までの文章が中心ですね。
後ろにお寺に関する簡単なインフォメーションがついていました。

法華寺は亀井勝一郎、和辻哲郎、杉本苑子、会津八一、とそうそうたるメンツ(笑)
室生寺は白洲正子、佐多稲子、陳舜臣、
渡岸寺には白洲正子、梅原猛、吉村貞夫
聖林寺は、和辻哲郎、永井路子、立原正秋・・・このあたりは、やっぱり人気があるのね~。
で、観音寺は白洲正子、六波羅蜜寺は津田さち子と一人づつ、
道明寺に関する文章は独立したものが見つけられなかったのか、
井上靖の「十一面観音」という十一面観音全般のことを語った文章の中に、
ちょろっと紹介されてるだけです(汗)
道明寺、よかったのにな~。
やっぱり、奈良は地元の利がある?…ってどんな利やねん(笑)

和辻哲郎の「古寺巡礼」は、たしか大昔に読んだことがあります。
白洲正子の物は、数年前に起きた白洲正子ブームの時に本屋で立ち読みした記憶が(汗)
井上靖はネット上で十一面観音を検索するとしょっちゅう引用されてるし
亀井勝一郎と会津八一は、どこかで(どこで?奈良文化論でもらった資料で?)見かけたような…(大汗)

中では佐多稲子の室生寺詣でのお話が好きだったのと、
吉村貞夫の「渡岸寺の十一面観音を見たとき、強い霊性を感じた。
それは霊木を渾身の信仰力で彫りあげたからだろう」という記述に強く共感しました。

面白いのは、女性の作家さんの作品の多くは、50代のころに書かれたものであること。
ちょうど私と同年代のころの文章…
お寺や仏像が身近に感じられる、そういう年頃なのかもしれませんね。

一度は目を通すといいかと思いますが・・・・
これで1600円はちょっと高いような(汗)
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国宝十一面観音in 大阪

7つある国宝十一面観音を全部見たい!という友人のリクエストをうけて始まった国宝めぐりに、
7月18日に大阪府藤井寺市に行ってきました。

今回のお目当ては、藤井寺市の道明寺にあって、毎月18日に開扉されるんです。
この藤井寺市というところは、私の家から車でならすぐそこなんですが、電車で行くと、遠い!
せっかくここまで行くのだから近くに何かあるかしら、と検索してみたら、
藤井寺市には葛井寺(ふじいでら)というお寺があって、ここには国宝の千手観音があるとのことなので、それも見よう!ということに決定。

大阪府内の国宝仏像は4体で、そのうち2体がこの藤井寺市にあるんです~。
ま、このあたり河内飛鳥は、古市古墳群があったりして飛鳥時代より栄えたところ。
葛井寺は、百済王族の子孫である渡来人系氏族葛井連(ふじいのむらじ)の氏寺として、
8世紀中頃に創建されたと推定されるそうですし。
道明寺周辺は、菅原道真の祖先にあたる豪族、土師(はじ)氏の根拠地で、
道明寺は土師氏の氏寺として建立されたのが始まりだとのことでした。
確かに、近鉄の駅にも土師の里というのがあったり、道真ゆかりということで道明寺天満宮がありました。

午前中は今にも雨が降りそうだったのに、待ち合わせのお昼ごろにはものすごい青空(笑)
藤井寺の駅前からは彼女の車で、葛井寺までナビが連れて行ってくれます☆

国道を一筋入って、昔ながらの細い道が家並みの中を通って行くと
重要文化財の四脚門が
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この日は月に一度の千手観音の特別開扉ということで、西国三十三ヵ所参りのバスも来て
広々と明るい境内は結構にぎやかです。
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こちらの千手観音は脱活乾漆造り、ふつうは千手観音といっても40本ぐらいのお手があるだけですが、
ほんとに千本の手がありました(実際は1041本)。
ほんまもんの千手って、唐招提寺の千手観音とここぐらいかな?
このお手は全部外れるそうで、どれもかけてないって、奇跡的ですよね~。
天平仏らしいゆったりとしたお顔だちで、いいものを見せて頂きました!

近くで軽く休憩した後、お目当ての道明寺へ。
しかし、ここへ行くにはまたもや古い町並みを通って行くんですが、
道は狭いし、お寺の前の駐車場も門前にあるような、ないような(笑)。
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こちらは尼寺だそうで、如何にも尼寺らしい清らなたたずまいのお寺で
境内の白砂にはきれいな箒目が。
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こちらの十一面観音はカヤの木の一木造り。
金箔や漆を使用しない生地仕上げの檀像ですが、思ったより小さくて、それも尼寺らしいですね。
軽く右足を一歩前に出した動きのあるお姿で、請来仏ではないかとも言われているそうです。。
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本堂前の水盤には百合の花が浮かべられていました。
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この日はもう梅雨が明けたのかと思うほど暑くて、車のありがたみが身にしみました(笑)。

これで、私たちが見た国宝十一面観音は4体になりました。
次はどこに行こうかな~♪
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国宝十一面観音

6日の月曜日、国宝十一面観音を見ようと
桜井の聖林寺と室生寺に行ってきました。
今年の春、友人と二人で行った琵琶湖畔の渡岸寺の
国宝十一面観音が忘れられなくて。
日本に7つある国宝十一面観音を二人で全部見ようということになったんです。

聖林寺は一年中拝観できますし、室生寺は9月まで金堂が特別拝観中なので
この二つが手始めになりました。

桜井駅で昼前に待ち合わせ、聖林寺へ行ってもう一度桜井駅まで戻り、
近鉄電車で室生口大野まで。
室生口大野から室生寺までバスで往復
というのがこの日の予定なんです…

一番大きな問題は、足の悪さ(汗)
桜井駅から聖林寺へのバスも、室生口大野駅から室生寺へのバスも、
よくあって一時間に一本(大汗)

室生寺から室生口大野への最終バスの時間から逆算してみたら
桜井駅から聖林寺へはタクシーで行くしかなくて(劇汗)
いや、季節が良ければ歩くんですが、梅雨の晴れ間のカンカン照りで、
歩いたら熱中症間違いなし、っていう感じでしたので…・

というわけで、聖林寺に到着し
駐車場でタクシーを降りて坂道を登るとほどなく
苔むした石垣と門が!
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石段を登りきると、桜井の町から大和平野が眼前に広がって見事な眺めです。
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受け付けには歩き始めたばかりの坊やがいるという、生活に密着したお寺。
小さな境内ですが清らかなたたずまいで、鳥の声が聞こえて。
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聖林寺の本尊は子安延命地蔵菩薩で、
これが実に大きな石のお地蔵さまで、びっくり!
安産、子授けの霊験あらたかだそうです♪

お目当ての十一面観音は観音堂に安置されていました。
これはもとは三輪神社の神宮寺であった大御輪寺で秘仏とされていたものが
明治の廃仏毀釈の1868年、こちらへ移され、フェノロサと岡倉天心によって開扉されたもの。
天平時代の木芯乾漆造、
身の丈2メートル余り、均整のとれたお姿は豊満で量感に満ちている一方
左手に持つ平瓶からのびる花茎の優美なライン、指先のたおやかさ、天衣のひだのあでやかさ、など
いくら眺めても、見飽きませんでした。

半時間以上も眺めた後お寺を出たんですが、バスが来るのにまだ少し時間があったので、
次の停留所までぶらぶら歩き、やってきたバスに乗って駅まで戻りました。
炎天下とは言いながら、田んぼを渡る風はさわやかでしたよ。
暑くても、歩くのは楽しいですね☆

桜井から室生口大野までは15分余り、駅を降りると空気が違います!
どこもかしこも緑が濃くて、風はひんやりしてて
都会っ子の友人は、大喜びでした。

バスは数人の乗客を乗せて発車、大野寺の磨崖仏の横を通って室生寺へと向かいます。
室生川と緑濃い山を見ながら走って、20分かからなかったんですが、距離にしたら相当ある…
バスを降りる時、運転手さんが最終バスの時間を教えてくれて、
くれぐれも乗り遅れないように、と助言してくださいました。
そりゃあ、そうです~、この距離は歩けない・・・・っていうか、
歩いてるうちに真っ暗になる??(笑)

室生川の清流の音が心を洗うようです。
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朱塗りの美しい山門は、気のせいかこじんまりと愛らしく、参拝の人影もまばらで。
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十一面観音のおられる金堂は、9月30日まで特別拝観できます。
山がちなこのあたり、時折雨がぱらついたり、かと思うと薄日が差したり
緑の中にたたずむ金堂はほんとにきれい!

金堂の中には、国宝の釈迦如来(平安前期の榧の一木像)を中心に、
右側に薬師如来と地蔵菩薩像、左に文殊菩薩とお目当ての国宝十一面観音像
その前には十二神将がずらっと並んでおられます。
こちらの仏像は室生寺様といわれるものだそうで、聖林寺より少し小さい感じ。
お顔もあどけなく、ふっくりとした頬や唇は少女のようで
女人高野といわれる室生寺に、如何にも相応しく立っておられましたよ。

十一面観音への信仰は、「現世安穏後生善処」と呼ばれる功徳が授かり、
現世利益を求めて、奈良時代末から平安時代にかけて盛んになったようで、
その流行はやがて平安中期に千手観音へと移って行ったそうです。
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室生寺といえば、石楠花と五重塔。
この党は先年の台風でひどく傷んだんですが、今はもとの姿に修理されました。
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階段の両側には石楠花が植えられていて、花の時期にはとても賑わいます

今は静か、そして、とても涼しい・・・・
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国宝の勧頂堂。屋根の反り具合がなんとも美しい。
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静かな境内を堪能したあと、朱塗りの反り橋から振り返ったところ。
山を背景に、静かにたたずむ室生寺です。
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このお寺は、女人高野の名の通り、どこもかしこも愛らしく清らかで、
室生川の川のせせらぎの音と、鳥の声が聞こえ、
山清水の滴り、湧水が心を洗うようでした。

そのせいか、境内には山から下りてきたのか、若い鹿が一頭。
恐れる風もなく私を眺めていました。
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下界へ戻るとうだるような暑さでした・・・・
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