もう秋が来たのかしらと思うほど爽やかな風の吹いた昨日
国宝十一面観音を求めて、京都府京田辺市の
観音寺に行ってきました。
もちろん、いつもの悪友と一緒に、です(笑)
京都から来る彼女と近鉄三山木駅前に12時半に待ち合わせ。
お昼ごはんを食べてから、とにかく観音寺までタクシーで行き、
その後は蟹満寺に行くか、一休寺に行くか、寿宝寺に行くか
あとで考えよう、という計画です。
このあたりにはまるっきり土地勘がなかったんですが、
この近くには同志社大学田辺校地があるし、学生のいるところには何かお店があるはずだし、
JRの三山木駅も隣接した駅前なんだから
レストランや、ちょっとしたカフェの一軒ぐらいはあるだろう、という
私の目論見は、駅を降りた途端、脆くも潰えました(涙)
なんも、ない・・・・・
いや、駅自体は広々として高架になってて、きれいなんですよ。
駅前には広いロータリーが美しく整備され、バス乗り場がいっぱいあるのに
降りたのは、ほんの2,3人(汗)
もちろん、喫茶店もレストランもなく、ロータリーが広くてきれいな分驚いてしまって
彼女と二人、絶句してしまいました。
この駅は、このバスは、採算、取れてるんだろうか???
あたりを見回してようやく一軒見つけた「三山木食堂」でお昼ごはんにありつき、
タクシーで観音寺に向かいます。
先日観音寺に電話させていただいた時、
「バスで…」という私にご住職が
「バスは二時間に一本なので、タクシーでどうぞ」と教えてくださったんです。
はい、確かにバスは二時間に一本でした(汗)。
で、行きはタクシーで、帰りは歩いても良いよね~、と乗ったタクシーの運転手さんは
とっても親切で、蟹満寺は今修理中なので国宝の釈迦如来は見られないと教えてもらいました。
十分足らずで、観音寺に着きました。
観音寺は、天武天皇の勅願によって義淵僧正によって開基されたお寺で、
往時には七堂伽藍を有する大寺だったとか。
でも、数度の火災により、今は本堂の観音堂が残るだけです。
桜並木の向こうが観音寺…

今は緑の美しい田圃ですが、春には菜種の花が黄色く咲きそろい、
満開の桜とともにそれはそれはきれいだそうです~。

山懐に抱かれた静かなお寺。

タクシーから降りた私たちに、ご住職が「本堂へどうぞ」と声をかけてくださって
石畳を踏んでまっすぐ進み、上がらせていただきました。

二人ほどおられた先客と私たちのために、ご住職が鐘を鳴らし、お経をあげてくださいます。
こちらの十一面観音は木芯乾漆造りという、私好みの観音様、のはず。
どこかな~ときょろきょろする罰当たりな私ですが
十二間四方ほどの小さな本堂には…それらしいものが見当たりません。
私たちの無病息災などを祈ってあげてくださったお経が終わると、
ご住職がさらりと立ち上がって、前立ちの向こうのお厨子の扉をあけられたら
そこに、
十一面観音が!!!
し、しかも
そのまん前へ「どうぞ」と!!
ぎょ、ぎょえ~~☆ガラスも、「ここまで」の柵も、なんにもなしで
私と観音様の距離、20センチです!!!
奈良のお寺では仏像と人との距離が近いことはよくあることですが
国宝がこんなに間近にあるなんて・・・
だって、観音様の頭上にある狗牙上出面の小さな牙まで見えるんですよ!
なんぼなんでも、さすがの私も、
度肝を抜かれました!!お寺の由来や沿革を語ってくださるご住職の声を聞いているうち最初の驚きが鎮まって、
つくづく眺めさせていただいた観音様は
天平のおおどかな優しい表情。
お体も木芯乾漆造りらしい柔らかな曲線を描いて、いとおしい…・
そして、私たちのためにお経をあげ、お厨子を開き、お話をして下さるご住職の
なんとありがたいこと…
この地の人々の心やさしさと厚い信仰とが、
この優美な観音様を守っていたのですね。
国宝であるとないとに関わらず、人々の心を捉え、守らずにいられない心地にさせる
そんな仏様でした。
このあたりは、奈良とのかかわりの強いところで、
恭仁京跡があったりり、海住山寺などのお寺も奈良時代のものがほとんど。
また、お水取りの松明の竹はここから送っているそうです。
本堂を辞して、あたりを散策した後、さて、これからどうするか、ですが。
彼女も私も、コーヒーが飲みたい。喫茶店に入りたい(笑)
しかし、ここから駅までの間にそれらしいお店は無かった…
で、タクシーを呼んで、
一休寺へと向かうことにしました。
一休寺のHPに、抹茶が飲めるって書いてあったので(汗)
一休寺は、あの(笑)一休さんが晩年を過ごし、亡くなったお寺。
確か、晩年の一休さんは森女という女性と一緒に住んだはった、と聞いたことがあったので
小さな可愛い庵を想像していたんですが
ここでも大きな驚きが!

なんか、すんごく大きいお寺や…

境内は苔むした緑に覆われ、木漏れ日が美しく。
その上、一休さんは天皇の皇子だったので、お墓は宮内庁の管理で、扉には菊のご紋!
うみゅ~、イメージと違う・・・・

江戸時代再建の重要文化財の方丈には一休禅師木像がありましたし

方丈には南庭、北庭、東庭の三面からなる方丈庭園があって、
これは見事な石組の枯山水の蓬莱庭園(北庭)

夏の平日のこととて静かな境内でしたが、お掃除の行きとどいた見事なお寺でした・・・
首尾よくいただいた(笑)お抹茶には美味しい落雁が添えられていて
たっぷりと美味しかったです♪
ここへきて正解やったね。
本堂も方丈も、一休さんが亡くなってから建てられたもののようでした。
境内にはこんな可愛いお地蔵さまがたくさん。

ようやく傾き始めた太陽を背に、新田辺の駅までぶらぶら歩き、
次回を約して、あっさり別れた私たちでした。
が、
これで5体の十一面観音を見た友人から一言。
「十一面観音は、どうして、どれもこれも、こんな辺鄙なところにあるの?」
た、確かに、それは言える…
なんでかなあ・・・・・???