真夏の奈良を歩く

3月に東京のお友達が奈良に来られたとき、
夏休みには私が奈良をこってりご案内します、とお約束をして、
そのお約束の夏休みが来ました!

8月の18日19日の二日間の奈良歩き。

2週間前ぐらいから下勉強のデータを皆さんに送りつけ(笑)
どこを案内しようかと頭を悩ませたのですが、なにしろ8月に入ってからのこの猛暑。
都会人の皆さんに炎天下の行軍はちょっとな、というわけで、

一日目は平城宮跡と唐招提寺。

二日目は新薬師寺からささやきの小道を通って春日大社へ。
そのあと、東大寺で大仏を見て、戒壇院で四天王に対面、
依水園で昼食後、興福寺の宝物殿で国宝の山を見て
奈良町をうろうろ。
夜には
ライトアップされた東大寺、浮見堂、興福寺、若草山頂を回るバスに乗っていただく、
と言うコースを考えました。

ちょっと良くないですか(にっこり)

皆さんをお迎えしたのが丁度お昼前。
久しぶりの再会を祝して昼食をとった後、タクシーに分乗して平城宮跡遺構展示館へ。
ここには例のどえらい井戸枠や、発掘の跡がそのまま展示されてるんですが
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(これはスクのときの写真です)
皆様、とっても興味を持って見てくださいました!
どうやら皆さん、遺構を見るのに必要な想像力をたっぷり持ち合わせておられるようで
これは、なんだか幸先良いです☆

そのあと、遮るもののない炎天下をせっせと歩き(劇汗)
私の大好きな東院庭園へ。
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小石を敷きつめた洲浜が出入りのある汀線を形作った
奈良時代の優美な庭園の様子を偲んでいただきました。

で、来たものは帰るほかないわけで。
行きよりもっとげんなりしながら歩いて遺構館へ戻り、
バスと電車を乗りついで唐招提寺に行きました☆

ここは今解体修理の真っ最中ですが
水野先生直伝の
「天平の甍は改修工事が終わればいくらでも見られるが、この覆い屋は今しか見られない」
と言うお話をお教えしました(笑)
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境内の美しさは工事によっても少しも損なわれておらず、
ゆったりとした静寂が流れていました。
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境内には蓮の葉がつやつやと輝いて・・・・

平城宮跡も唐招提寺も、
急がず慌てず、のんびり見て回ることで
奈良に流れる時間の長閑さを感じていただきたいと思ったのですが、
どうやら成功したみたい!

この日はホテルに戻って着物に着替え、奈良町こんどうで夕食。
しかし、ここの夜のコースって、夏でも鍋なんですね・・・・・
お腹パンパンになるまで食べまくり、喋り捲って、
翌日の新薬師寺での再会を約して帰宅しました。

ここは新薬師寺。
この屋根の形、小さいけど綺麗で大好きです。
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奈良のお寺の最大の特徴は、
国宝が手で触れるところにちょこんとたったはる、ということです。
新薬師寺もそれは同じ。
奈良時代の見事な塑像がすぐそこに1300年を一跨ぎしています。
これって、奈良の人間にとっては当たり前でも、
東京の人にとっては結構衝撃的だったようで(笑)私の狙いは当たったらしい。うふふ。

萩の花で有名な新薬師寺ですが、萩はまだ蕾
高畑界隈をそぞろ歩くと、大正風の洋館があちこちにあって良い感じです。
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こういう家は今もどなたかのお住まいです・・・・レトロですね。

次に志賀直哉旧居へと向かいました。
志賀直哉は大正時代に奈良に移り住み、「暗夜行路」をここで執筆しました。
この家は自分で設計して建てたそうで、随所に暮らしやすい工夫がイッパイ☆
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これはサンルーム。
天窓から日の光が燦燦と入り、明るい☆

サンルームの前には広い庭が。
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志賀直哉は家族を大事にした人なんですね、子供や奥さんの部屋は南向きでした・・・・

ここからささやきの小道に入ります
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最近は綺麗に整備されましたが、今でも森の中の静けさがなんとも素敵です。
とんでもない猛暑の一日でしたが、森の中は涼しい風が吹き渡り、
心地よく歩いていけました。
このコースにして大正解でしたわ~ん。

しばし歩くと春日大社の参道。
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大きな杉の切り株の中に新しい杉がはえていますが、これを「切り株更新」というそうです。

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春日大社の回廊・・・灯篭が赤い柱に映えて綺麗ですね。

春日大社のあとは東大寺へ。
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暑い日は鹿も水辺で泥の上・・・・スゴク気持ちよさそう・・・・

東大寺で阿吽の金剛力士像と大仏さんにご対面してから、戒壇院へ。
戒壇院にも四天王が手の届く距離にあって、
中央アジア風の鎧姿で颯爽と立っておられます。
新薬師寺の十二神将同様、奈良時代を代表する塑像ですが、皆さんのお気に召したようで、
私も大満足。

戒壇院から水門町の依水園に向かい、昼食。
そろそろお昼の日差しが激しくなってきました・・・・・
昼食後は興福寺の国宝館で国宝の数々とご対面~♪

私が思うに、ここは日本で一番リーズナブルな拝観施設。
だって、僅か500円の入場料で
阿修羅をはじめとする八部衆立像、十大弟子立像、点燈鬼龍燈鬼、山田寺仏頭
それからそれから、まだまだ沢山の国宝や重要文化財を
ゆっくりのんびり、見られるんですよね☆

国宝館の周りには、これも国宝の五重塔や東金堂、北円堂、重要文化財の南円堂・・・
などが並んでいて、現在講堂の再建工事中。

この日は前日にも増しての猛暑で、空の青さがひたすら暑い(笑)

猿沢池の横を通って奈良町に入り、お買い物モードに突入。
麻の小物で有名な遊中川と言うお店で思う存分お買い物。
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このお店、奥には見事な日本間のお座敷がそのままあって、
皆さんすっかりお気に召したようでした。

ここを出たら気分はすっかりお寺から離れたので、喫茶店に入ってまったりお茶。
あれこれお喋りしてる間にもう5時!

奈良公園では、
7月8月と東大寺他何箇所でライトアップが行われており、
2時間40分かけてそれを回る定期観光バスが走ってるんです。
コースは、興福寺東金堂、東大寺、浮見堂、若草山頂、という
実に魅力的なコース!

浮見堂も若草山頂も、出来ればご案内したいけど、この暑さではとても・・・と
言う場所なので、
皆さんにこのバスに乗ることをオススメし、早めの夕ご飯をたべて、
皆さんを観光バス乗り場までご案内、私は失礼して家に帰るバスに乗り込んだ途端・・・・・

一天俄かに掻き曇り、雷ゴロゴロ、風びゅうびゅう・・・・大雨です(汗)
幸い、皆さんはバスから降りるときには、まるで雨にあわれなかったそうですが
あたり一面鹿の○んこの匂いが充満してたそうです・・・・これこそ奈良の匂いかも・・・(大汗)

正味一日半の奈良めぐりで、
あそこも案内したいここも行きたい、というところが沢山残ってるんですが、
奈良をどう楽しむか、をとてもよく分かってくださる皆さんだったので
ご案内しているこちらまで楽しくさせてくれました。

京都は歴史がミルフィーユのように積み重なっている、とよく言われるんですが、
奈良には1300年前の残滓がそのままの姿で投げ出されているような。
その1300年を埋めるためは想像力が必要で
その想像力を持った人には、奈良は美しい幻を見せてくれるんじゃないかしら。

今回のお客様は、
奈良を吹き渡った1300年前の風を少し感じてくださったようで、
とても楽しかった、また来たい、と仰ってくださいました(にっこり)

どうぞどうぞ、法隆寺も飛鳥も佐保路も皆さんをお待ちしています!
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Commented by ゆず at 2007-08-24 21:50 x
お馴染みの所を回られていますが、
うまくコースを組まれたみたいで、
記事を読んでいると、すごく新鮮で楽しくなり、
私も回ってみたくなりました。
涼しくなったら、嫁さんと散歩がてら行ってみます。
Commented by なぎ at 2007-08-25 00:34 x
ゆずさん
有難うございます。
新薬師寺から高畑界隈を通って春日大社に抜けるささやきの小道は、あちこちに横道もあって、ご夫婦にぴったりのいい散歩コースだと思います。
それに、志賀直哉旧居のサンルームに座ってると、とってものんびりするし~。春日大社から逆周りするのも良いですよね。
是非一度お試しください!
Commented by かるほ at 2007-08-25 21:38 x
秋の奈良を知ってる旅行者はたくさんいると思うけど、(昔の私がそうでした)
真夏の奈良を知っているってのは、結構贅沢かも~なんて、
奈良に住んでからはたびたび思っていたけど。
この暑さの中では、歩くのが厳しい場所も多いですからね。
ま、ピーカンの平城宮跡なんて素晴らしく感動的な場所ですが、
できることなら今年は避けたいと思ったのが本音(笑)

秋になったら、またガシガシ歩きにいこうっと。
※志賀直哉のサンルームは今の季節だとまだ暑いよね(^^;
ホント、あたしって暑いの苦手なんだなあ。
Commented by nagiwi at 2007-08-25 22:57
かるほさん
平城宮跡をぐるっと歩いて、大極殿の復原から朱雀門まで行くと良いんだけど、あの暑さでは死人が出そうだった(笑)。
それでも、高畑からささやきの小道あたりは風も吹くし、歩きやすくていいよ。あのサンルームには扇風機もあったしね。
のんびり座ってると、「ここに住んで文豪になりたくなってくる」と友人の一人が言いました。
いいわね~、頑張って~とけしかけておいたので、もしかしたら?!?(笑)
Commented by 河内大王 at 2007-08-26 10:38 x
私の家内が高畑界隈の大学卒業なもんで、ずーと昔、婚約時代に冬の新薬師寺からささやきの小道、志賀直哉旧宅あたりを歩いたことがありました。

今ほど人が多くなくゆっくり歩いた記憶があります。その時は頭塔は公開されていなかったのか、家内も行ったことがないといっています。
Commented by kinochanoma at 2007-08-26 13:56
本当にいいコースですよね…。
奈良の王道というか花道というか。

案内された方たちの感慨歓迎もひとしおだった事でしょうね!

参考にさせていただきます☆
Commented by nagiwi at 2007-08-26 23:17
河内大王さん
まあ、奥様はあの大学のご出身で、お二人であの道を歩かれたんですね!
しかも、冬にって、人影が少なくて理想的なデートコースですね~。
ささやきの小道、その頃はもっと細くて鬱蒼としてたでしょ。
頭塔も見られるようになったのは最近だと思います・・・・
Commented by nagiwi at 2007-08-26 23:19
丸さん
でしょでしょ。
時間が有る方には是非歩いて欲しい道の一つですよね。
私の中では、二月堂近辺と新薬師寺近辺が、奈良の道の双璧なんですが、なかなか両方行くのは時間的に大変。
特に夏はねえ・・・・
by nagiwi | 2007-08-24 20:17 | 奈良 | Comments(8)

「まことにはかなきものは、ゆくえさだめぬものおもい。風の中に巣をくう小鳥」(作高橋睦郎・・・多分)私なぎの物思いの幾つかを・・・


by nagiwi