佐保路の三観音

不退寺、法華寺、海龍王寺の秘仏公開が12日までなので
午前中の用事を早めに切り上げて、行って来ました。
まずは西大寺からバスで不退寺に。
在原業平の建立になるこのお寺には、四季の花々が咲き乱れるので有名。
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鎌倉時代の本堂の中には、業平作といわれる
全身胡粉地に極彩色の文様を施した聖観音がありました。
小さいお寺なので、
秘仏も手を伸ばすと・・・もとへ、伸ばさなくても届く距離。
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本堂から山門を見たところ。
さほど広くない境内ですが、植え込みが沢山あって
来るたびに樹木が大きくなり、茂みはこんもりしてきて
仏様との距離の近さと言い、庭のひなびた風情と言い、
いかにも奈良らしいお寺。
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ご近所のウワナベ古墳から持ってきたらしい、5世紀頃の刳り抜き形石棺。
草刈鎌を研いだ跡があるらしい・・・・おいおい!

一条通を歩いて、法華寺へ。
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総国分尼寺として建立されたこのお寺は、光明皇后ゆかりの寺でもあり、
門跡寺院としても有名です。
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国宝の十一面観音はこの本堂の中。
右足を一歩軽く踏み出したお姿で、唇にはほんのり紅がさされたよう。
会津八一はこの観音を見て
ふぢはらの  おほききさきを  うつしみに あひみるごとく  あかきくちびる
と歌ったそうです・・・
今日は、国宝の阿弥陀三尊像も公開されており、
京都御所のお庭を移築したといわれる庭園も見られました。
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門跡としてこのお寺に来られた宮家の姫君を慰めるためのお庭でしょうか、
優しげなお庭。
そして、書院の障子には菊の御紋がついていました。

法華寺と海龍王寺は目と鼻の先。
この海龍王寺は、一時無人で、門が打ち付けられていたのを知っているので
こうやって開いていると嬉しくなります。
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僧玄昉が唐から帰国途中、暴風雨に襲われた際に、
海龍王経を唱えて九死に一生を得たそうで、
そのとき持って帰った経典の功によってこのお寺に入ったとか。
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本堂は江戸時代のもので、中には十一面観音が。
秘仏だったせいで保存状態が極めて良く、胸飾や口元の紅も鮮やかで
右足を一歩出したお姿は、法華寺の十一面観音にも少し似通います。
そして、西金堂の中には、
天平時代の4メートルほどの五重塔が安置されています。
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建物の中なので映りが悪いですが、
建造物としての天平時代の五重塔は、これ1基しか現存していないそうです。

佐保路の三つのお寺の中でも、
不退寺と海龍王寺は拝観の人も少なくて、ひっそり古びた風情。
築地の破れや境内のひなびた様子は、昔の栄耀栄華とは程遠く、
今どきこんなお寺がまだあったのね、と思わせて・・・。
法華寺は、まだしも観光バスが訪れますが、
それでもやっぱり、仏様との距離が近くて、長閑。

時代についていかない(いけない?)こういうお寺が
いかにもいかにも奈良らしくて、私は大好きです。
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Commented by mipiacere at 2006-11-09 19:27
右上、法華寺のイヌのお守り(中2200円と見た!)と、菩提樹の種ですね!
Commented by nagiwi at 2006-11-09 19:39
みぴさん
あたりです!!
が、
写真がボケてる・・・
Commented by marie004 at 2006-11-09 22:53 x
うろ覚えでゴメンナサイ、法華寺の観音像はけっこう目が大きくて唇が厚くて、これが奈良時代の美女か~という仏像ではありませんでしたか?
橘嘉智子がモデルとも言われていますね。彼女はすごい美人だったということなのですごく期待して観音像を見たら……ううむ。時代とともに美の基準て変わるのね。手がすごく長かった記憶があります。
Commented by 流水 at 2006-11-10 07:17 x
なぎ さん
の案内で、佐保路を歩いた気分になりました。
地元の人はいいですねぇーー。
秘仏公開の日に自在に訪ねられて、うらやましい限りです。
Commented by nagiwi at 2006-11-10 18:54
marieさん
法華寺の観音のモデルは橘嘉智子とも光明皇后とも言われてますね。
様式からみると、橘嘉智子説が有力かな?
確かにとっても手が長くて、口元が印象的で、ちょっと異国的な感じの仏像でした。
思いのほか小さいなあ、というのが始めて来た時の感想でしたね~。
Commented by nagiwi at 2006-11-10 18:57
流水さん
有難うございます~☆
この3つのお寺は、ほんの目と鼻の先に建ってるし、何しろ近場なので、お昼からでもさっといけるんですよ~。
ただ、バス道を歩かなくちゃいけないのが情けないです・・・
Commented by Yuzukakio at 2006-11-10 21:48
佐保路は昨年行きました。
海龍王寺で彼岸花が、寂しく咲いていたので、
多分9月下旬か10月上旬だったと思いますが
いつ行っても、ひっそりと奈良らしくていいですね。
Commented by 流水 at 2006-11-11 20:36 x
この様な風景が、大好きです。
多くの歴史を積み重ねていて、無言で佇むこの風景が
たまらなくステキです。
その歴史の重みを、ズッシリと感じる、
この景色がたまらなく感動します。
Commented by 朱雀 at 2006-11-11 21:36 x
 ・不退寺・・中に入ったことはありませんが「不退寺裏山古墳」を探しに裏山に入っています。こんもりしたそれらしい高まりが有りました。
 ・ウワナベ古墳からの石棺を持ち出した話はチョット信じがたいです。
 ・それから、海龍王寺の僧玄昉は大宰府で政敵の祟りで雷に当たって死んだ時、その頭が奈良まで飛んできたので、今度は玄昉の祟りを恐れて首の飛んできた高畑に頭塔を作ったという話がありますが、その玄昉のことでしょうか。
Commented by nagiwi at 2006-11-12 20:18
ゆずさん
海龍王寺は、お寺の商業化と縁のない感じが好きです☆
彼岸花って、ひなびた感じがあのお寺にぴったりの花ですね。
Commented by nagiwi at 2006-11-12 20:22
流水さん
私もこういう感じがとても好きですね。
私の子供の頃は、奈良という町自体がこんな感じでした。
一時は華やかに栄えたけれど、いつしか栄耀栄華は忘れられて、その残滓がただそこにある・・・・
最近は、あちこちが綺麗に整備されて、それはそれでとてもいいことだとは思うんですが、少しさびしくて。
だから、昔の姿を思い出させてくれるこういう風景を見るとほっとします。
Commented by nagiwi at 2006-11-12 20:30
朱雀さん
あの裏山は古墳なんですか?そういえばちょっと小高いかな?
石棺は、正確には、ウワナベ古墳横の平塚古墳(?)から出たんだとか。
あのへんから出たのは確からしいですよ。
僧玄昉は、その人です~。
海龍王寺に入ったころが得意の絶頂だったんでしょうね。
Commented by lilakimono at 2006-11-15 14:13
ぴゃー!居ながらにして奈良見物~!!
いつもありがとうございます。
観音様は勝手ながら私の守護神にさせていただいております。
法華寺の観音様、いつか是非拝みに行きたいものです。

それにしても、秋で空気が澄んでいる所為か、なぎさんの画像、本当にすっきりきれいですよねぇ。
Commented by りぃ at 2006-11-15 15:51 x
おひさしぶりです!
不退寺、法華寺、海龍王寺、ウワナベ、コナベ・・・
ちょうどこういう経路でおととしの正倉院展のあと、
私はレンタル自転車で回りました。なつかしいー。
やっぱり、奈良は秋が最高かも~(^^)
Commented by nagiwi at 2006-11-15 22:06
りらさん
こちらこそ、いつも有難うございます☆
この日はとってもいいお天気で、いかにも「天高く・・・」って言う感じだったので、写真も綺麗なのかも。

観音様を守護神にお持ちなんでしたら、ぜひとも佐保路の三観音をごらんになっていただきたいです~!
奈良のお寺はどれも小さくて、ご本尊がすぐそこに拝めることが多いのですが、佐保路のお寺はその典型ですし、拝観の人も少なくてゆったりとした気分になっていただけると思います。
お出での際は、ぜひとも私がご案内させていただきたいと思います!
Commented by nagiwi at 2006-11-15 22:11
りぃさん
こんにちわ~♪
あのあたりを自転車で!
歴史の道、と名づけてある程度は整備されてますね。飛鳥あたりに比べると、アップダウンは少ないのかな~。
秋の奈良はとっても綺麗です・・・が、去年から正倉院展はおっそろしい人出になってるの(涙)。
でも、佐保路は団体さんは来ないので、良い感じ(にっこり)。
Commented by 朱雀 at 2006-11-16 23:24 x
 なぎさん
 なるほどよく分かりました。
Commented by 風の善さん at 2006-11-19 18:04 x
佐保路のお寺は、スクーリングのある早朝、新大宮のホテルからの散歩コースにしていましたが、いつも早朝のため外から眺めるだけでした。
この写真でよくわかりました。坂東のはじっこから眺めさせていただきます。
Commented by nagiwi at 2006-11-20 22:35
朱雀さん
おそレス、失礼しました~。
奈良はどこを掘っても古墳が出ますね。

Commented by nagiwi at 2006-11-20 22:37
風の善さん
ようこそいらっしゃいませ。
最近は物騒だから、早朝だとお寺の門が閉まってるんですね~。
どこもここも小さいお寺ですけど、その分静か。
雰囲気だけでも伝わったら嬉しいです。
by nagiwi | 2006-11-09 19:21 | 奈良 | Comments(20)

「まことにはかなきものは、ゆくえさだめぬものおもい。風の中に巣をくう小鳥」(作高橋睦郎・・・多分)私なぎの物思いの幾つかを・・・


by nagiwi